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イギリスでのワーキングホリデー(YMS)の現状

「出稼ぎワーホリ」というのが流行っているようです。円安の影響や日本の若年層の低収入といった現状が、出稼ぎワーホリに拍車をかけているとのこと。

たしかに、イギリスでは最低賃金で働いたとしても、日本の平均年収くらいは稼げてしまいます。

しかし、「イギリスでワーホリをして稼げるか」という問いについては、「人による」としか言えないと思います。正直「No」です。ワーキングホリデーで海外生活をはじめても、住む場所も見つからず、仕事も見つからず、帰国せざるをえなくなる場合もあるようです。

そこで、イギリスでワーホリの現状について書いていきたいと思います。

Lina
早稲田大学卒業後、新卒でフリーランスのライターとして活動をはじめ、派遣社員と正社員(メディカルライター)を経て、現在はロンドン在住。ブログやYouTubeでも情報発信中。趣味はテニス。

他国のワーホリと比べたら仕事は見つけやすい

イギリスで仕事が見つかれば、アルバイトでも日本の平均年収くらいは稼げてしまいます。

しかし、うまい話には裏もあります。次のような問題が生じる可能性もあります。

1. 移住への初期費用が高額
2. 仕事が見つからない
3. 仕事が見つかっても労働条件が良くない
4. 物価が高いため貯金ができない

他国のワーホリと比べると、イギリスでは仕事や家も見つけやすいと思いますが、どのレベルの労働条件や生活水準を求めるかによって異なります。

一言に家が見つけやすいといっても、バスルーム共用のシェアハウスで最低700ポンド、バスルームを専用にするならば850ポンドが必要です。そして、このような格安な物件は汚い、お湯が出ないなどのトラブルが発生するような場合が多いです。高いお金を出せば、絶対に家は見つかります。

そのため、イギリスで仕事や家が見つけやすいといっても、その仕事や家を許容できるかは個人次第ということになります。わたしは汚い部屋には住めないので、、、。

以下、これらの問題に触れつつ、イギリスでの求職や雇用の事情について書いていきたいと思います。

外国人労働者として働くということ

イギリスでワーホリ出稼ぎをする場合、俗にいう「アルバイト」をすることになる場合がほとんどです。

日本では、アルバイトは、短期間や不定期で働く非正規雇用のことを指したり、労働時間が8時間以下のパートタイムの仕事の意味で使われますね1

しかし、イギリスには「アルバイト」という概念はありません。基本的にフルタイム(full-time)かパートタイム(part-time)の二択です。ただし、フルタイムでもパートタイムでも、仕事の形態として無期限雇用(permanent)か、また、年俸制か時間給かの違いがあります。

Permanentでフルタイムの仕事は、日本の「正社員」に近い概念で、無期限雇用で年俸制でcareer jobとかcorporate jobと呼ばれます。医療従事者や小売り業などにおいては時給制の場合もあります。

その他の仕事は、temporaryやpart-timeなどと呼ばれていて、これが日本でいうところの「アルバイト」や「契約社員」の概念に近く、時間給で働く場合が多いです。

「ビザ・フィルター」が難題

ワーキングホリデーの場合、基本的にcareer jobやcorporate jobの仕事は難しいです。理由は、ビザの有効期限が2年と決まっているため、無期限雇用の求人は応募を受け付けていない場合がほとんどだからです。

現地企業からしてみれば、非正規雇用といえども、確実に2年で働けなくなる人材よりも、イギリスでの無期限で働けるビザを持っている人材のほうが価値が高いという判断だと思われます。

期限付きのプロジェクトのポジションが空いている場合などの、ラッキーな場合を除けば、基本的にワーホリの場合は「アルバイト」をすることになります。

ワーホリだけではなく、イギリスの大学を卒業したら得られるGraduate Visaなど、他の就労が可能なビザでも期限付きの場合は同様で、career jobを得るのは非常に難しいです。

また、有名な企業や認知度の高いブランドの場合でも、このビザ・フィルターがかけられているように感じられます。

日本でも展開しているような世界的なブランドや、イギリスで有名なチェーン展開しているお店などのアルバイトの求人に応募してみましたが、返信も来ませんでした。

そのため、イギリス人(イギリスで無期限で働ける人)が働きたいと思うような企業やブランドだったり、時給が高い仕事、労働環境が良好な仕事を、期限付きのビザしか持たない外国人労働者が見つけるのは、かなり難しいです。

外国人労働者が行き着く先

では、期限付きビザしか持っていない人はどのような仕事をすることになるかという、必然的にイギリス人がしたがらない仕事ということになります。

そして、このような仕事は、最低賃金かそれに近い給料であることがほとんどです。これに加えて、肉体労働や深夜労働など労働環境が過酷な場合も多いです。

これは、日本でも同じですよね。日本より物価や賃金が低い地域の人々が日本に出稼ぎにやって来て、日本人がしたがらない仕事をしている光景が都市部を中心に見られます。東京のコンビニなどは過半数が外国人労働者のようにも感じられます。

同様に、日本はイギリスよりも物価も給与水準も低いので、日本人がイギリスで「出稼ぎ」するわけで、結果として、イギリス人が就きたがらないような仕事に就くことになることが多いということになります。

パワハラやモラハラ、セクハラも

また、低賃金や労働条件のみならず、オーナーやマネージャーのパワハラやモラハラ、セクハラなどに我慢しなければならないような場合もあります。

実際にわたしの自分の目で、外国人労働者の過酷な環境を目の当たりにしましたし、わたし自身それに準ずる職場を経験しました。仕事をはじめてみないと職場環境はわからないため、バイトを何度も変えたり、多数の面接やトライアルを受けることになりました。

イギリス人でもこれは同様なようで、最近、転職したイギリス人の友人も仕事がブラックだとわかったため、すぐにあっさり辞めて、次の職探しをはじめています。そして、美味しい仕事や良好な労働環境の仕事だけキープします。

しかし、ワーホリで渡英する人をはじめとした外国人労働者は、早急にお金が必要だったり、貯金が少なかったりするので、どんなに労働環境が厳しくても、酷い扱いをされても、それに耐えざるを得ない場合もあります。

イギリスは物価が高いので、1ヶ月収入がないだけで、節約しても日本円にして20万円以上は軽く飛びます。

ワーホリをしている人の中には、「割のいいバイトや働きやすい仕事はない」という結論に至って、日々、生活のためにきつい仕事に従事している人もたくさんいます。

日本人が日本人をターゲットにする場合も

そして、わたしがロンドンで遭遇した信じられない光景として、日本人雇用主や日本人マネージャーが日本人労働者に対してパワハラやモラハラを行う場合もあるということです。

日本で働いていたら耳にしないような暴言を吐かれたり、不適切な指示を行ったりするようなマネージャーです。

ロンドンに住む日本人やワーホリ組のコミュニティの中では、だれもがブラックだと知っている日本食レストランや日系企業もあります。

英語が得意でないと、日本食レストランや日系の会社で働くことになることが多いですが、仕事探しが上手くいかないことも多く、次の仕事が見つからない場合も多いので、辞めたくても辞められないケースもあるようです。

ちなみに、これはロンドンのみの状況で、ロンドンには日本人の駐在員や留学生が多く住んでいるため、日本人を対象にしたインフラやサービスがそれなりに整っているため、このような状況が生まれやすいのだと思います。

もちろん、素晴らしい日本人オーナーやマネージャーもたくさんいますが、求人が頻繁に出される会社やお店は人の出入りが激しくなる理由があるということなので、ワーホリ労働者がそのような職場に行き着く可能性は高いといえます。

ワーホリの定員増加で仕事探しはさらに困難に

2024年からイギリスのワーホリの定員が増枠しました。そのため、イギリスでの日本人向けの仕事探しはさらに激戦になると予想されます。

現在、インターネットで収集できる情報は今から数年前のものがほとんどです。過去にイギリスでワーホリをした人のブログやYouTube動画で得られる情報が、現在のイギリスの現状に当てはまるかというと、かなり異なっているというのが、現在イギリスに住んでいるわたしの印象です。

キラキラしたイメージの海外生活のブログやインスタグラムの投稿とはかけ離れた現実があります。

サイレントマジョリティを把握するのは困難ですが、ワーホリで渡英しても、仕事や家が見つからず、物価の高いイギリスで貯金だけが溶けていき、観光もそこそこに、日本に帰ることになった人は非常に多い、むしろ過半数なのではないかと思います。

必要な英語力

ロンドンに限っていえば、英語がそれほど話せなくても仕事を見つけることは不可能ではありません。簡単な接客ができるレベルの中学英語くらいで大丈夫です。

そもそも、英語が流暢でないと、英語を使うバイトを探すのはほとんど不可能です。なので、英語が得意でない場合、日本語で業務をするバイトを探すことになります。

ロンドン在住の日本人向けにビジネスを展開している会社の内部では、スタッフが全員日本人、逆に日本語ネイティブでないと働けない会社すら存在します。

このような職場では、マネージャーや先輩スタッフも日本人で、日本語で仕事内容を教えてくれますし、サービスによっては利用客のほとんどが日本人という場合もあるので、全く英語力が必要ないバイトもあります。

しかし、これは、いくら日本人が多いロンドンといえども、少ないパイを取り合うような争いです。つまり、英語ができずにイギリスで仕事を探すというのは、運頼みになってしまうということです。

仕事を見つけやすくするためには、英語力があるに越したことはありません。英語力が高ければ高いほど、仕事を得られるチャンスが広がりますし、より良い労働環境や労働条件の仕事にありつける可能性が高まります。

前述したように、外国人労働者を積極的に採用するような現地企業や一部の日系企業の中には、ブラックである可能性が高いです。

そして、もしそのようなバイト先に当たってしまった場合、物価の高いイギリスで英語がそれほど得意でない場合、仕事が辛くても辞められないという状況になりかねませんし、なんらかの事情でバイトを辞めることになったり、辞めさせられてしまった場合に、次の仕事を見つけるのが難しくなります。イギリスでは、急に解雇されることも珍しくはありません。

イギリスに到着したときの仕事探しのためにも、自分の衣食住や精神衛生を守るためにも、英語力はあればあるほど良いと思います。

仕事で英語力は高められない

「仕事」は、労働の対価としてお金をもらうことなので、仕事をしながら英語を学ぶというのはほとんど不可能です。

英語を学ぶためには、お金を払わなくてはいけません。それが、大金を払う語学学校であれ、数百円の書籍であれ、英語を学ぶためにはお金を払わなくてはなりません。

ある程度英語力がある人が、仕事の中で英語を使うことで「英語に慣れる」ことはできるかもしれませんが、英語力を高めるのはほとんど不可能です。

わたしの英語力はイギリスでバイトをしていても全く向上していません。日本で会社員をしていたときは、毎日英語の論文を読んでいたので、日本にいたときの方が(少なくとも語彙力に関しては)英語力の上がり幅は大きかったです。イギリスでバイトをするよりも、つまらない英文法の本を読んだ方が何倍も英語力が向上します。

流暢に英語での応答ができない場合、日系の会社以外は採用してはもらえません。自分が日本でコンビニやレストランの店長をしていて、面接に来た外国人労働者がカタコトの日本語すら話せなかったら、採用しようとは思わないのではないでしょうか。他の英語が話せる候補者を採用するでしょう。

それでも、採用してくれた場合は、深刻な人手不足になるような何らかの理由があるということです。

150万は貯金が必要

ワーホリでイギリスに滞在している周りの日本人に、イギリスに住みはじめて、バイトを見つけるまでに、どれくらい日本円を使ったかと聞いたところ、ほとんどの人が100万円は使っていると答えます。

100万円は、5000ポンドから6000ポンドに相当するので、これはかなり妥当な数字なので当然なのですが、わたしはこれには正直、驚きました。

日本人の若者の給与水準を考えると、数百万の貯金をするのは非常に難しいと思います。わたしは当初はイギリスで大学院に進学する予定で、ワーホリでイギリスに来るつもりはなかったので、それなりに貯金をしていたのですが、これほど多くの人が少なくとも100万を貯金してイギリスに来たとは思いませんでした。

しかし、話を聞いたところ、イギリスでワーホリがしたくて、20代を通してずっと実家暮らしをして貯金をしていた場合が多いようです。特に、イギリスのYMSはずっと定員が少なかったため、何度も抽選に落ちて、渡英したくてもできない期間が長くて、抽選待ちで貯金が貯まっていた人も多いようです。

しかし、100万というのは、イギリスに来てから費やした金額で、これに加えて、出国前のビザ申請費や航空券の購入費などの費用が加わると、150万はワーホリの初期費用として必要です。

出稼ぎワーホリがブームといっても、イギリスの場合は、ある日、突然出稼ぎをしようと思い立ってイギリスに来るわけではないようです。

最初の1ヶ月で100万が飛ぶ理由

イギリスのワーホリの初期費用として最も高額なのが賃貸です。

東京の7、8万レベルの賃貸は、ロンドンでは安くても1200-1300ポンドはするので、はじめから選択外な人がほとんどだと思います。これは日本人だけではなくイギリス人でも同様で、必然的にシェアハウス、フラットシェアといった選択肢が残ります。

しかし、シェアハウス、フラットシェアであっても、決して安くはありません。

バスルームを共有する場合、安くて700ポンド、相場は800ポンドで、バスルームを専用にする場合は900ポンドは見ておく必要があります。

相場以下の物件には、建物や設備自体に何らかの欠陥がある場合がほとんどです。わたしが内見した中には、非常に汚い物件や、シャワーのお湯が出ない物件がありました。

賃貸の契約には、1ヶ月または2ヶ月分の家賃と、デポジット(敷金のようなもの)がほとんどマストです。デポジットは1ヶ月分の家賃であることが多いですが、安い物件の場合は1000ポンド程度を求められることもあります。

また、しっかりした大家や不動産エージェンシーを通す場合、過去1ヶ月から数ヶ月分の給与明細の提出を求めらられることがほとんどです。

ワーホリでイギリスに来る人は、これからイギリスで仕事をはじめるので、給与明細は提出できないため、3ヶ月分程度の家賃を最初に一括納入することを求められる場合が多いです。

デポジットと合わせると4ヶ月以上の家賃を一括で納めることになるため、仮に格安の750ポンドの物件を見つけたとしても、初期費用が3000ポンド必要で、これは日本円にして50万円以上です。

家が見つかるまで、安宿やAirbnbに1週間は滞在するとすると、1泊50ポンドと考えても、350ポンドです。ホテルには調理器具もなく、自炊は難しいので、テイクアウトやファストフードでしのぐとしても、1日に2食でも20ポンド程度はかかってしまいます。

さらに、内見をして回ったり、バイトを探したりするためには交通費が必要で、イギリスでは交通費も高額です。

家が見つかってからも、掃除用具や調理用具など生活必需品などを購入しなくてはなりませんし、家具付きの物件でも寝具などは自前のものを買わなければならないことが多いです。

特に寝具は、家が見つかってからAmazonなどで安い商品を購入するわけにも行かないため、ホームセンターのようなお店で一式買うことになりますが、合計で200ポンド程度、全くクオリティにこだわらなくても100ポンドはかかります2

このようにして、最初の1週間で、賃貸の契約以外に、500-600ポンドくらいはすぐに飛んでいってしまいます。

物価が高すぎる

イギリスは日本よりも給与水準が高いのですが、これは、それだけの収入がなければ生活ができないという現状が存在するからです。

イギリス人の間では「ロンドンでは100K(10万ポンド)の収入がないとまともな暮らしができない」といわれています。これはファミリーが、シェアしないフラットや家に住んで、しっかりと栄養のある食事を食べて、休日は家族で楽しく過ごして、たまに旅行に行く——ような生活で必要なのが10万ポンドという意味ですが、東京とは比べものにならない物価高です。

ここ数年のイギリスの物価の上がり幅には、イギリス人も驚いているようで、スーパーで同じものを購入しても、明らかに年々値上がりしているのが認識できるとのことです。特に値上がりしているものの筆頭が賃貸です。

なので、イギリスにワーホリで来て、バイトだけの収入で、日本レベルの物件に住んで、外食をしたり、サッカー観戦をしたり、ミュージカルを見たり、たまにフランスやスペインに旅行したりするような海外生活を楽しむのは、100%無理です。

たまに娯楽を楽しむとしても、イギリスでワーホリをしている人は、日常生活ではかなりの節約を強いられています。

自炊が基本だが難しい

イギリスでは外食が高すぎるので、基本的に自炊をしなくてはならないのですが、和食で使う食材や調味料は手に入りにくかったり、高額だったりします。

最も高額なものの筆頭に、みりんと料理酒があります。みりんが、1L20ポンドもする場合もあります。

金銭的にも食材的にも、和食をメインで自炊をするのは難しいです。大根やキノコ類といった和食に定番の食材はアジア系のスーパーにしか売っていないし、キャベツやネギはヨーロッパ産の異なる品種の野菜を代用しないといけません。

イギリスでは絶対に手に入らないような食材や調味料もあります。わたしは、コンソメの素を日本から送ってもらいました。わたしは和食が好きなので、和食用の調味料を揃えるのにかなり苦労し、またお金を費やしました。

しかし、洋食しばりにするとしても、同様に食材や調味料が異なるため、はじめからレシピや調理器具の使い方を学ばなければなりません。これが想像以上に大変だったりします。

そのため、ワーホリでイギリスに来た人は、ちょっと肉と野菜を炒めて飢えをしのぐ、といった簡素な食生活を送っていることが多いです。

わたしは、たまにイギリス人の料理系YouTuberの動画を見ることはありますが、基本的に感覚で気が向くまま料理することが多いです。これでも食べられるので、、、。

それでも、イギリスに住みたいか

このように、ワーホリでイギリスに住むのは、かなりの困難が伴います。それでも、わたしはイギリスに来て良かったと思っています。

イギリスに住みはじめて日本にいるときには考えもしなかったことも考えるようになり、視野や知見も広がったため、海外に住みはじめて異なる文化や価値観に触れた影響は大きいと思います。

ただし、前述したとおり、わたしはもともとワーホリでイギリスに来るつもりはなく、大学院の進学のために貯金をしていましたし(現在、貯金は減っていますが)、英語ができたため家探しや職探しに困りづらかったということもあり、信頼のできるイギリス人の知人友人がいたというのも大きいと思います。

しかし、十分な貯金がなかったり、英語が話せなかったりする場合、そもそも、現地の人と交流して、ディスカッションをして、経験や知見を深めるどころではなかったと思います(こんなことをしてのんびりしていたから貯金が減っていったのだけれど)。

イギリスはYMSの定員を増やしましたが、逆に学生ビザによる配偶者等の同伴が禁止されたりなど、移民の流入は厳格化されました。

この理由ひとつとして考えられるのは、ブレグジットによりEU諸国からの移民が減ったため、これまで移民が担ってきた一部の職種において人手不足が生じており、この労働力の代わりをYMSの定員を増やすことで補おうとしているということです。日本など、YMSのビザが発行される国の若年労働者は、短期間就労させるにはちょうど良い英国に住み着かない良質な低賃金労働者ということです。

一方、ブレグジットを受け、イギリスを拠点としていた多くの外国企業が拠点をアイルランドやオランダに移すなど、良質で高収入の仕事の機会はイギリスから失われつつあります。

このような現実は、日本にいたら気づきにくく、日本語のみで情報を収集しても手に入れられない情報が多いです。

わたしは、早稲田大学生時代に世界一周ひとり旅をしましたが、これを万人におすすめしないのと同様に、ワーキングホリデーも万人におすすめすることはできません。しかし、こういうことを見聞きして知見を深めるのが好きなので、ワーホリで渡英して良かったと思います。

ただ、ロンドンで巨大クロワッサンを一生に一度食べるのはおすすめします。

Lina
早稲田大学卒業後、新卒でフリーランスのライターとして活動をはじめ、派遣社員と正社員(メディカルライター)を経て、現在はロンドン在住。ブログやYouTubeでも情報発信中。趣味はテニス。

参考・補足

  1. アルバイトは、ドイツ語で仕事や労働を意味する「Arbeit」が語源になっているカタカナ言葉のようです。
  2. わたしは、掛け布団をクオリティにこだわらず購入したのですが、買い直すことになりました。イギリスの商品は日本の商品よりクオリティが低いです。

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